合宿免許問題の課題
プラグを抜いて、カーボンがついていればこすり取るとか、ぬれていれば、時間がたてばだんだん乾いてくるからほっておいて、改めてエンジンをかけたりしたものです。
山道でのオーバーヒートそれから、山道をノロノロと行列で上っているような時は、必ず自動車が何台かエンストしたものです。
それはエンジンがオーバーヒートしたためです。
それ以上走らせていると加熱してシリンダーとピストンが焼きついてしまう。
こうなると、ほんとうにもう動かなくなってしまって、修理にはものすごくお金がかかることになる。
この原因は、低速で走っているので、空気がラジエーターを冷やす割合が減ってくるからです。
つまりラジエーターの中に冷却水があって、これがエンジンを冷やしているのですけれども、そのラジエーターをまた空気が冷やす、つまりラジエーターの後ろにはプロづフがあって、それが回って風を呼びこんで水を冷やし、その冷やした水がエンジンを冷やすしかけになっています。
ところが、ノロノロ走っていますから、風が少ないわけで、ラジエーターが十分に冷えない。
それでオーバーヒートしてしまうのです。
ガソリンもれの恐怖さらには、ガソリンがタンクから燃料ポンプを経てエンジンまでに行くには、だいたいプラスチックのパイプの中を通りますが、そのプラスチックがかたくなってヒビが入ることがあります。
そうすると、ガソリンがそこからもれる。
ガソリンがもれたが最後、誰かがそばで火のついたタバコを捨てたりしたら、一瞬にして自動車は燃えてしまうから、これはもっとも重大な事件です。
ガソリンがもれ出すと、ほんとうに我われはふるえます。
いつ火事になるかわからないのですから。
高速道路を走っている時に、ガソリンがもれだしたこともあります。
どうしてパワーが出ないんだろうと思っているうちにガソリングージがどんどん下がってきたので、ガソリンがもれていることがわかりました。
高速道路のかたわらで止めたときにいちばんこわかったのは、通りすがりのドライバーが火がついたタバコを投げ捨て申しないかということでした。
投げ捨てられたら一発で火事になるわけですから、それがこわかったのです。
釘を踏むとパンクするそれからパンク。
ガラスのかけらを踏んだぐらいではパンクはしません。
よくビンなどがかけていて、相当すごい切り口を見せていることがあります。
その上を通った時に、ひょっとしたらガラスが食いこんではいないだろうかと思って、直ちに整備工場に運んで見てもらったら、何ともないということもありました。
ところが釘を踏むと、ちょうど槍がつき刺さるかっこうでタイヤにめりこみます。
そうなると、パンクです。
これまた自動車が止まることになってしまいます。
そういうふうに自動車が故障で止まることはめずらしくありませんでした。
ガソリンがもれたりすれば、ジャッキでボディーを上げて下からのぞきこんで、もれているところにグルグルとテープを巻きつけて止めます。
パンクの場合はタイヤを交換します。
そういう手間がかかったものです。
それが、この数年来、エンストせず、オーバーヒートせず、ガソリンはもれず、パンクなしです。
自動車が故障しないのが不思議近頃はそういうトラブルがまったくなくなってしまったのです。
つまり、車に乗るのが気楽になりました。
何人かのエンジニアを集めて車の話をしていて「おい、近ごろ君らはボンネットを開けたことがある?」ときくと、くちぐちに、皆が「ぜんぜんないな」と言うのです。
「昔はしょっちゅう開けていたのにね」と。
そして「何だか、きみ悪いね」、「だって、しょっちゅうトラブルを起こすのが車で、何も起こらないというのは考えられない」と言うのです。
エンジニアだからそう言うのです。
エンジニアではないと、車は故障しないものだと思っているかもしれないけれど、エンジニアからすると、故障しないのが不思議で不思議でしょうがないのです。
なぜかというと、エンジニアは工場で機械を使っていて、どうして故障が起こるか、知っているからです。
機械というものは、どんなに高い熱を出していても、早い速度で回っていても、非常に強い力を出していても、それなりに安定した状態がずっと続いているならば、さしたる問題はないんです。
つまり、機械は熱に耐えるように、力に耐えるようにできているのです。
ところが、それを止めたり、急にスタートしたり、あるいは炉に火をつけたり、火を消したりするときになると、トラブルが起こりやすい。
飛行機の場合も、どこで事故がいちばん起こるかといえば、高速で成層圏を飛んでいるときは何事もない。
いちばん起こりやすいのは離陸、着陸のときです。
それは機械がスタートし、ストップするときと、ちょうど同じです。
そういうときに事故が起こります。
ところで自動車というものは、誰でも経験しているように、しょっちゅう走ったり止まったりしているわけで、こんな機械は工場にはめったにありません。
工場の機械は動いたらずっと動きっぱなしで、工作機械などでも、ふつうは、やたらには止まりません。
製鉄工場とか石油化学工場などであれば、半年ぐらい止まらないのです。
トップをひんぱんにくりかえすス都会ではスタート,故障はスタート、ストップのときに起こるなぜスタート、ストップするとこわれやすいかというと、スタートするときは加速し、ストップするときは減速するわけです。
どちらにしても、加速度が発生している。
ニュートン力学の第一法則にあるように、加速度が生ずると力が生じます。
つまり、スタート、ストップのときには、機械の各部の開に、一つの部品から次の部品、一つの場所から次の場所へと、にわかに力がかかります。
これを、工学用語では「応力がかかる」と言うのです。
応力がかかるということは、それだけ部品が力を加えられて、引っ張られたり押されたり、ねじられたりしているのです。
そういうことがくりかえされていくと、機械の各部が高速道路では,一定の速度で走り続けるこいわば歪んでくる。
歪んでくると、ますます不自然な運動になりますから、ますますよけいに力が加わる。
というわけで、そのうちにどこかのバネが折れるとか、オイルもれが生ずるとか、いろいろなトラブルが生ずるのです。
その意味で言うと自動車は、エンジニアからすれば非常にむずかしい機械なのです。
つまり、機械を動かす常識は、さっき言ったように、安定した状態をずっと保ち、よけいな加速度を生じさせないことです。
これが機械を使うひけつです。
ところが自動車は、ふつうの道だったら、年じゅうスタート、ストップをくりかえしていますから、非常に無理な使い方をしているということになるのです。
それにドライバーからすると、加速度を発生させるためには、それだけよけいに動力を供給しなければなりませんから、燃料をよけいに食います。
止まっている状態から発進するときは、非常に燃料を食うのです。
女性が買物などで短い距離をチョコチョコ使っていると、燃費は非常に悪くなります。
一方、高速道路を同じスピードでずっと走っている場合は、加速度が生じていない。
ですから燃費はあまりかかりません。
だから自動車をかわいがって走らせるには、工場の機械と同じように走らせればいいのです。
つまり一定の速度で真っ直ぐ走るのがいちばんいい。
止まったり走りだしたりしないことです。
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